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糖尿病の食事療法

diet therapy for diabetes

糖尿病の食事療法は、血糖値を継続して管理していく上で基本となる非常に重要な治療法の1つです。カロリーや栄養のバランスに気を配る必要があるため、多忙で外食が多い、自炊は苦手という患者さんの中には、継続が難しいと思われるかもしれません。 

しかし、糖尿病の患者さんにとって、食事管理はインスリンを分泌する膵臓の負担を軽減させ、重症化を避けるためにも、行わなければならない基本の治療です。 

糖尿病の食事療法は、不明な点は自己判断せず、医師の診察、 指導のもと食事療法を行うようにしましょう。 

食事療法のための3つのステップ 

糖尿病食事療法の手法としては、以下の3つが挙げられます。 

 

  1. 適切なエネルギー摂取量(食事の適切な量)を知る 

  2. エネルギー摂取量を基に栄養素(糖質、脂質、たんぱく質、食物繊維、ビタミン、ミネラルなど)の構成を考え、バランスのよい食事を実践する 

  3. 治療経過に応じて、エネルギー摂取量や栄養素の配分を評価し、継続のための工夫をしていく 

医師は、患者さんの年齢や肥満の度合い、高血圧や高コレステロール血症などの併存症、食事の好みなども配慮しながら、食事指導を行っていきます。 

まずは、自分のエネルギー摂取量を知り、それに収まるような食事内容を設定していきます。 

一般的な計算方法は以下となります。 

※エネルギー摂取量は年齢や性別、病態や現在の栄養状態などに応じて、医師の指導のもと適宜変更していくものです。

自分のエネルギー摂取量を知る

step1. 自分の標準体重を求める

65歳未満:身長(m)×身長(m)×22 

前期高齢者(65歳~74歳):身長(m)×身長(m)×22~25

後期高齢者(75歳以上):身長(m)×身長(m)×22~25  

※肥満者の場合には、まず現体重の3%減量を目指す。 

※後期高齢者ではフレイルや併発症、摂食状況などを踏まえ、適宜判断する。 

日本糖尿病学会 編・著  糖尿病治療診療ガイド2020-2021 より引用 

step2. 自分の身体活動量を求める

身体活動量(kcal/kg 標準体重)とは、体を動かすために必要なエネルギー量のことを指します。 身体活動量の目安は以下とされています。 

軽作業(デスクワークが多い職業など) 25~30kcal/kg 標準体重

 

普通の労作(立ち仕事が多い職業など) 30~35kcal/kg 標準体重

 

重い労作(力仕事が多い職業など)   35~ kcal/kg 標準体重 

step3. エネルギー摂取量を求める

エネルギー摂取量=標準(目標)体重×身体活動量

エネルギー摂取量に合わせた食事をする

上記で求めたエネルギー摂取量の中で、バランスの良い食事(いろいろな種類の食品)を摂っていくことが大切です。 

1日3食を規則正しく、なるべく均等の摂取エネルギーにします。 

早朝の高血糖を回避するために、前日夜9時以降の食事は控えるようにしましょう。 

糖尿病の食事療法の実践 

日本糖尿病学会の食事療法に関する提言の中では、エネルギー摂取量の内訳としては、炭水化物は摂取エネルギー量の40~60%程度、たんぱく質は20%とし、残りを脂質で補うことが目安とされています。脂質が25%を超える場合は、飽和脂肪酸(肉やバターといった動物性)よりも多価不飽和脂肪酸(魚油に多く含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA (エイコサペンタエン酸)など)の摂取を増やし、トランス脂肪酸(マーガリン、ドーナツ、ケーキ、フライドポテトなどに多い)の摂取を控えることが推奨されています。 

食物繊維の豊富な食材と調理例

食物繊維は食後の血糖値の上昇を抑え、コレステロールを下げる働きをするほか、便通改善にも作用します。

1日20g以上を目指して摂取しましょう。

かぼちゃ

かぼちゃの煮物

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春菊のごまあえ

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切り干し大根

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きんぴらごぼう

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ひじきの煮物

「ビタミンと食物繊維」(農林水産省)(https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/minna_navi/topics/topics3_04.html)を参考に作成(2021.02.15アクセス)

糖尿病の食事療法の評価 

食事療法は以下の点に注意して食事療法の効果を評価し、エネルギー摂取量や栄養素のバランス設定が適正かどうかを判断したり、食生活のアドバイスを行っていきます。 

 

  • 体重の増減

  • 血糖コントロール状態(血糖値、HbA1c、尿糖など)

  • 生活習慣(食事の回数、飲酒量、間食の有無・内容、身体活動量)

  • 生活背景(生活環境、調理者など)

 

当院では、糖尿病連携手帳を用いて、診察時の体重、血圧、血糖、尿糖、尿たんぱくなどを記入し、経過を記録していくことで、時系列で糖尿病の状態を把握できるようにしています。 

院内にはInBodyも設置しておりますので、定期的な体重計測も可能です。 

 

食事療法は、患者さんのライフスタイルに合わせてアドバイスをしていきますので、気になることは医師や看護師にご相談ください。