
臍帯由来間葉系
幹細胞培養上清液療法
(自費診療)
Ⅰ.幹細胞培養上清液について
Stem Cell Supernatant
幹細胞上清液は脂肪、歯髄、骨髄、臍帯から採取された細胞を培養し、その培養液から幹細胞や不純物を取り除いた上澄み液です。
幹細胞培養上清液にはエクソソームとサイトカインが含まれています。エクソソームはタンパク質や核酸を含むナノメートル(nm)レベルの極めて小さい顆粒状の物質で、細胞間の情報伝達という極めて重要な機能を担っています。
東京メディサイトクリニックで取り扱っているのは臍帯由来の上澄み液のみで、その特徴は以下の通りです。
A.臍帯由来の特徴
・最も若い幹細胞を含みます
・原料の元となる臍帯は安定的な確保が出来ます
・非侵襲的な方法で採取した臍帯を用いています
・サイトカインが多いことからより高い効果が期待出来ます
などが挙げられます。
B.製造工程の特徴
・同じ幹細胞溶液から継続して上清を3回回収します
※通常は細胞が壊れるか剝がれてしまうため同じ細胞を繰り返し使う事は出来ません
・1~3回目と回を追うごとにサイトカインが濃くなります
・1~3回目を混合して使用します
・以上より臨床に適した培地上澄み液を大量に回収出来ます
などが挙げられます。


Ⅱ.含有サイトカインと発現量
Cytokine
サイトカインとは、細胞が分泌する生理活性物質のひとつで、タンパク質あるいは糖タンパク質でできています。生体の細胞間の連絡作用に関与し、ヒトの生命活動に必要なさまざまの役割を果たしています。
サイトカインは400種類以上あると言われており、現在まで40種類以上が確認されています。
私たちは使用する上清に含まれる47種のサイトカインを精査しました。そのうち血中濃度よりも高かった20種類の中で特に発現量の多い主なものを記します。MSCは臍帯由来幹細胞を示します。
なお、以下に示すサイトカイン濃度は一回のみの検査値で、複数回を平均したものではありません。
1.血管新生・細胞増殖・老化細胞除去等に関連するサイトカイン
単位pg/mL
2.抗炎症・老化抑制・皮膚の保 湿向上等に関連するサイトカイン
単位pg/mL
3.分泌受容体に関連するサイトカイン
単位pg/mL
Ⅲ.安全性の確認
Safty
安全性については、以下の項目を精査・確認しております。
01
ドナーの安全性
HBV、HCV、HIV、HTLV、PVB19、TP全てが陰性です。
03
最終製品の安全性
無菌試験、エンドトキシン試験、マイコプラズマ試験の他、不溶性異物も精査され、いずれも陰性です。
02
幹細胞の安全性
マイコプラズマによる汚染、ウイルスによる汚染、エンドトキシンによる汚染が陰性であり、染色体異常の無いことも確認されております。
04
培地
血清・インスリンフリーのオリジナル培地を使用しています。
05
一般毒性試験
ICR系雄雌マウスに於ける13週間観察で毒性学的変化を認めませんでした。


Ⅳ.東京メディサイトクリニックに於ける臨床使用
Clinical Use
当クリニックでは、2023年10月より幹細胞培養上清液による点滴療法を行っています。また2024年2月より幹細胞培養上清液の関節内注射も行い、その有効性について関係学会にて報告するなど詳細な研究を進めています。
すでに多数の外来患者さんに於ける経験から、当幹細胞培養上清液療法には以下の主たる症状の改善が期待できます。
使用している幹細胞培養上清液は、国立大学医学部と提携して研究開発を行っている都内の再生医療企業より入手したものです。
幹細胞培養上清液は、日本国内では医薬品としての承認は得ておりませんが、医師主導型の研究試薬として使用しております。
A.関節内注射
01
変形性膝関節症の治療
症状のある関節に直接注射し、疼痛を軽減・治療します。膝関節痛、股関節痛、足関節痛、肩関節痛、肘関節痛などが対象となります。
02
軟骨創傷の改善
当培養上清液によって軟骨細胞の増殖が確認された(非臨床試験)ことにより、軟骨創傷の改善が期待できます。
B.点滴静脈注射
01
抗炎症作用
炎症が起こっている慢性的な頸部のこりや痛み、腰の痛みその他筋肉痛などの緩和が得られます。
03
動脈硬化症
動脈硬化指数(LH比)や動脈硬化度(CAVI)を整えることから動脈硬化の予防や改善に役立ちます。
05
疲労回復
全身の疲労回復を促進します。
07
免疫機能調整
免疫機能を調整し、病気に対する抵抗力を高めます。
02
組織や神経の修復
損傷した組織・神経の細胞分裂が活性化することによって組織の再生力が向上し、痛んだ組織や神経の機能が回復します。将来的には全身の臓器や神経が対象になると思われます。
04
血管再生と血管新生
糖尿病や動脈硬化によって途絶えた血流を再開させ、血行改善を促進します。冷え性にも有効と考えられます。
06
皮膚創傷治癒
真皮から真皮層までの皮膚細胞を活性化させ、皮膚の荒れ、皮膚の傷痕や炎症を修復改善します。
08
アンチエイジング
上述の効果が総合的に働いた結果、アンチエイジングにつながります。
※効果については日本再生医療臨床学会のサイトも参照
Ⅵ. 治療の内容と流れ
Treatment
A. 治療の流れ
受付にてお名前をお知らせください。
B. 副作用について
文献的には極稀に点滴中の血糖値低下がおこると報告されています。当クリニックの培養細胞上清液はインスリンフリー培地を使用しており、現在までのところ点滴中の低血糖発作は経験しておりません。しかしIGF-1による低血糖作用も考慮した上で、万一に備えて、医師・看護師が直ちに対処する体制をとっておりますのでご安心ください。


Ⅶ. 治療期間・費用
Duration of therapy・Expense
A.治療期間
点滴静脈注射は基本的に月1回としております。
1回の幹細胞培養上清液使用量は通常10mLです。稀に20mLを使用する事もありますが、その場合はあらかじめ医師が説明いたします。
関節内注射は月1回、治療期間3か月間とします。治療終了3か月後に来院していただき、MRIはじめ他検査と診察の結果にて以後の方針をお決めいたします。1関節あたり5mLを使用します。
B.費用