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骨粗しょう症

骨粗しょう症

骨粗しょう症(こつそしょうしょう)は、骨の量が減少したり骨の質が低下したりすることで骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気です。

骨は一度作られたらそのままではなく、古い骨を壊す「骨吸収」と、新しい骨を作る「骨形成」を繰り返しながら常に作り替えられています。

加齢や閉経、病気、薬剤などの影響によってこのバランスが崩れると、徐々に骨の強度が低下していきます。

骨粗しょう症の大きな特徴は、骨が弱くなっていても、骨折するまでほとんど症状がないことがある点です。


そのため、骨粗しょう症では、

  • 骨の状態を早期に確認する

  • 骨折リスクを評価する

  • 必要に応じて薬物療法を行う

  • 運動や栄養によって骨と身体機能を維持する

  • 転倒を予防する

ことが重要です。


骨粗しょう症の治療の最終的な目的は、単に骨密度の数値を改善することではありません。

骨粗しょう症は骨だけの問題ではなく、加齢に伴って筋肉量や筋力が低下する「サルコペニア」や、加齢に伴って心身の予備が低下する「フレイル」と併存することが多く、転倒や骨折のリスクをさらに高める可能性があります。


そのため、骨密度だけでなく、筋力や歩行能力、栄養状態なども含めて評価することが重要であり、骨折を防ぎ、歩くことや外出、仕事、趣味など、これまでの生活をできるだけ長く続けられる身体を維持することが大切です。



骨粗しょう症の種類

骨粗しょう症は、原因によって大きく原発性骨粗鬆症と続発性骨粗鬆症に分類されます。


原発性骨粗しょう症

明らかな他の病気などが原因ではなく、主に加齢や閉経などに伴って発症する骨粗しょう症です。一般的にみられる骨粗しょう症の多くがこのタイプです。


代表的なものとして、

  • 閉経後骨粗しょう症

  • 加齢に伴う骨粗しょう症

があります。

続発性骨粗しょう症

他の病気や薬剤の副作用などが原因となって生じる骨粗しょう症です。例えば、

  • ステロイド薬の長期使用

  • 内分泌疾患

  • 関節リウマチ

  • 消化器疾患

  • 慢性腎疾患

  • 栄養障害

  • 長期の不動

などが原因となることがあります。

続発性骨粗しょう症では、骨粗しょう症そのものの治療に加えて、原因となっている疾患や薬剤についても検討する必要があります。



骨粗しょう症の症状

骨粗しょう症は、骨がもろくなっていても、それ自体では症状がないことが多い病気です。一方、骨粗しょう症によって椎体骨折などが生じると、背中や腰の痛み、身長の低下、背中が丸くなるといった変化がみられることがあります。

 

「痛くないから骨は大丈夫」とは限りません。また、骨粗しょう症が進行すると、軽い転倒や日常生活程度の衝撃でも骨折する「脆弱性骨折」が生じることがあります。


骨粗しょう症でみられる主な症状・変化

  • 背中や腰の痛み

  • 身長が低くなる

  • 背中が丸くなる

  • 姿勢が前かがみになる

  • 転倒後に強い痛みが続く

  • 歩きにくくなる

  • 動作能力が低下する


そのため、「最近、身長が縮んだ」 「背中が丸くなった」といった変化が、骨粗しょう症や椎体骨折を発見するきっかけになる場合があります。



骨粗しょう症で起こりやすい骨折

骨粗鬆症で骨折しやすい部位には背骨、手首周辺、太ももの骨、肩があります。骨粗しょう症によって起きる骨折は脆弱性骨折(ぜいじゃくせいこっせつ)と言います。脆弱性骨折を経験した方は、その後に再び骨折するリスクも高くなるため「骨折した場所を治す」だけでなく、その後の骨折を予防することが重要です。

以下に、骨粗しょう症で起こりやすい骨折を解説します。


背骨の骨折(椎体骨折)

背骨を構成する椎体(ついたい)がつぶれるように骨折します。椎体骨折は明らかな外傷がなくても発生することがあり、強い痛みを伴わないケースもあります。

椎体骨折を繰り返すことで、

  • 身長低下

  • 円背

  • 姿勢変化

  • 身体機能低下

などにつながることがあります。

股関節付近の骨折(大腿骨近位部骨折)

転倒等による股関節周囲の骨折を言います。手術や長期間のリハビリテーションが必要となることがあり、歩行能力や日常生活能力への影響が大きい骨折です。大腿骨近位部骨折(だいたいこつきんいぶこっせつ)と読みます。

手首周辺の骨折(橈骨遠位端骨折)

転倒した際に手をつくことで生じやすい、手首周囲の骨折です。橈骨遠位端骨折(とうこつえんいたんこっせつ)と読みます。

肩付近の骨折(上腕骨近位部骨折)

転倒などによる肩の近くの骨折を言います。上腕骨近位部骨折(じょうわんこつきんいぶこっせつ)と読みます。



骨粗しょう症の原因

骨粗しょう症の原因は、加齢に伴い骨の「骨吸収」と「骨形成」のバランスが崩れることにあります。骨は、「骨吸収」と「骨形成」を繰り返しながら強度を保っています。若い時期には骨形成が十分に行われますが、加齢に伴って骨形成の機能が低下することで骨吸収とのバランスが変化し、徐々に骨量が低下します。

特に女性では、閉経後に女性ホルモンであるエストロゲンが急激に減少することで、骨吸収が進みやすくなります。このため、骨粗しょう症は閉経後の女性に多くみられます。

一方、男性でも加齢に伴って骨密度は低下するため、高齢になるほど骨粗しょう症や骨折への注意が必要になります。


骨粗しょう症に関係する主な要因

  • 加齢

  • 閉経

  • 女性

  • 低体重

  • 過去の骨折

  • 家族の大腿骨近位部骨折歴

  • 運動不足

  • カルシウムやビタミンDの不足

  • 喫煙

  • 過度な飲酒

  • ステロイド薬の長期使用

  • 内分泌疾患

  • 関節リウマチなどの慢性疾患

  • 長期間の活動性低下

これらが複数重なるほど、骨折リスクが高くなる可能性があります。



骨粗しょう症の検査

骨粗しょう症の検査は、骨の強さだけでなく、骨折につながる身体機能や転倒リスクについても確認します。

骨粗しょう症の検査では、問診、骨密度検査、レントゲン検査、血液検査などを行い、骨の状態や骨折リスクを総合的に評価します。

また、骨折を予防するためには、骨の状態だけでなく、必要に応じて筋力やバランス、歩行能力などの身体機能や転倒リスクを評価することも重要です。



問診

骨折につながるリスクを確認します。年齢、閉経時期、過去の骨折や家族の骨折歴なども問診で確認します。これらの条件によって実際の骨折リスクは異なります。


 

骨密度検査(DXA法)

骨粗しょう症診断の中心となる検査をDXA(デクサ)法といいます。X線(レントゲン検査)を用いて骨の密度を測定します。当院では

  • 腰椎

  • 大腿骨近位部

をレントゲン検査で撮影し、骨折しやすい場所を直接評価しています。

骨密度は、超音波でかかとの骨などで測定することもできますが、当院では骨粗しょう症の診断における標準的な測定方法である、DXA法で実施しています。

骨密度は、若年成人平均値であるYAM (Young Adult Mean)と比較して評価します。


 

レントゲン検査

背骨などの骨折や変形を確認するために行います。

特に椎体骨折は、必ずしも強い痛みを伴うわけではありません。

身長低下や背中が丸くなった状態がみられる場合には、過去に生じた椎体骨折が隠れていないか確認することも重要です。



血液検査

骨粗しょう症が疑われる場合や、薬物治療を開始する際には、必要に応じて血液検査を行います。

  • カルシウム

  • リン

  • ビタミンD

  • 腎機能

  • 骨代謝マーカー

などを評価します。カルシウム、リン、ビタミンD、腎機能などを確認し、骨が弱くなる原因となる病気が隠れていないか、治療を安全に行えるかを評価します。また、骨代謝マーカーを用いて骨の新陳代謝の状態や治療効果を確認することがあります。

 

また、続発性骨粗しょう症が疑われる場合には、原因となる病気について追加検査を行うことがあります。



骨折リスクの評価

骨密度だけでなく、年齢や骨折歴などを組み合わせて将来の骨折リスクを評価します。

代表的な評価方法としてFRAX®などがあります。


これは今後10年間で骨折する危険性がどの程度あるかを計算するツールで、年齢や性別等の情報をもとに確率を推定するものです。

骨粗しょう症のリスク評価は、リスクの高い女性における股関節周囲の骨折などを減少させる可能性があるという分析結果が報告されています。



筋力・バランス能力の評価

骨粗しょう症において、骨折を引き起こす大きな要因のひとつが転倒です。

そのため、

  • 下肢筋力

  • 立ち上がり能力

  • 片脚立位

  • バランス能力

  • 歩行速度

  • 方向転換

  • 段差昇降

などを評価することも重要です。

骨密度が低くても転倒しなければ防ぐことのできる骨折があります。

したがって、骨粗しょう症では骨の評価と転倒リスク評価を組み合わせることが大切です。



姿勢・歩行・動作評価

椎体骨折や丸まった背中、筋力低下などがあると、姿勢や歩き方にも変化が生じます。姿勢・歩行・動作評価は新たな転倒を防止する意味でも役立ちます。

そのため、

  • 立位姿勢

  • 身体重心

  • 歩行速度

  • 歩幅

  • 左右のバランス

  • 立ち上がり

  • 方向転換

などを評価します。

単に「筋力が弱い」というだけではなく、実際の生活動作の中でどのような問題が起きているのかを把握することが重要です。



VICONを用いた3次元動作解析(自由診療)

東京メディサイトクリニックでは、必要に応じてVICONによる3次元動作解析を用いて身体の動きを詳しく評価します。

通常の診察や目視だけでは捉えにくい、

  • 歩行中の関節運動

  • 身体重心の移動

  • 左右差

  • 姿勢変化

  • バランス戦略

などを客観的なデータとして評価できます。

骨粗しょう症の患者さんでは、骨密度の数値だけでは分からない**「転倒につながる動きの問題」**を確認することが重要です。



骨粗しょう症の診断・重症度評価

骨粗しょう症の診断では、骨密度だけでなく、脆弱性骨折の有無なども確認します。

一般的にはDXA法などによって測定した骨密度を、若年成人平均値(YAM:Young Adult Mean)と比較して評価する方法が用いられています。


骨密度の目安

  • YAM 80%以上:正常域

  • YAM 70%超~80%未満:骨量減少

  • YAM 70%以下:骨粗しょう症の診断基準のひとつ


ただし、骨粗しょう症の診断は骨密度だけでは決まりません。

例えば椎体骨折や大腿骨近位部骨折などの脆弱性骨折が認められる場合には、骨密度の値だけにかかわらず骨粗しょう症として評価されることがあります。

そのため、「骨密度」+「骨折歴」+「骨折リスク」を総合して判断することが重要です。



骨粗しょう症の治療

東京メディサイトクリニックでは、骨粗しょう症を単に「骨密度が低い病気」として捉えるのではなく、将来の骨折を防ぎ、動ける身体を維持することを重視しています。

骨や骨折リスクの医学的評価に加えて、

  • 筋力

  • 姿勢

  • バランス能力

  • 歩行能力

  • 転倒リスク

  • 日常生活での身体活動

なども評価します。


必要に応じてVICONによる3次元動作解析などを用いることで、目視だけでは分かりにくい身体の動きや左右差も客観的に確認します。

そのうえで、薬物療法+運動療法+転倒予防+個別リハビリテーションを組み合わせ、一人ひとりに適した骨折予防を考えます。


骨粗しょう症治療の最大の目的は、骨折を予防することです。そのため、

  1. 骨の強度を維持・改善する

  2. 新しい骨折を予防する

  3. 転倒を予防する

  4. 筋力・身体機能を維持する

  5. 日常生活や社会活動を維持する

という複数の視点から治療を行います。



生活習慣の改善

骨粗しょう症は長期的に管理していく必要のある病気であるため、病気や治療に対する理解を深めることが大切です。具体的には

 

  • 自分の骨密度

  • 骨折リスク

  • 適切な運動

  • 転倒予防

  • 食事

  • 薬物療法

について理解することが大切です。

骨粗しょう症治療では「薬を飲むだけ」ではなく、生活習慣全体を整えることが重要です。



運動療法

適切な運動は骨粗しょう症治療の重要な要素です。

運動には、

  • 骨への適切な刺激

  • 筋力の維持・改善

  • バランス能力の改善

  • 身体機能の維持

  • 転倒予防

などの役割があります。


運動は、主要な骨粗しょう症性骨折リスクを減少させる可能性が報告されているだけでなく、転倒予防効果についても支持されています。また、次の骨折を予防するためにも、非常に大切です。


重要なのは、単にウォーキングを行うだけではなく、筋力トレーニング、バランストレーニング、骨に適度な刺激を与える荷重運動を、身体の状態や骨折リスクに合わせて組み合わせることです。

荷重運動には、速歩、階段昇降、ステップ運動などがあり、身体機能が十分な方では軽いジャンプ運動なども行われます。

 

ただし、誤ったフォームや急な運動はさらなる転倒や怪我の恐れがありますので、医師や理学療法士のもとで自身の能力にあったトレーニングを行うことが大切です。


筋力トレーニング

特に重要なのが、以下の筋力強化です。筋力を維持することは、立ち上がり・歩行・階段などの日常生活動作を維持するだけでなく、転倒予防にもつながります。

 

  • 下肢(太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)、ふくらはぎの筋肉(腓腹筋)など)

  • 股関節周囲(お尻の筋肉・大殿筋・中殿筋)

  • 体幹(腹筋・脊柱起立筋)

バランストレーニング

骨粗しょう症では、前述した筋力トレーニングのほか、バランスを強化することも大切です。バランス強化は安定的な歩行に有用なだけでなく、方向転換する、階段を降りるなどの日常動作での安定感を取り戻します。

そのため、

  • 立位バランス

  • ステップ

  • 方向転換

  • 歩行

  • 外乱に対する姿勢制御(外からバランスを崩す方向に押したり引いたりしてバランス狙う)

などを身体機能に合わせて練習します。安全性を確保しながら、少しずつ難易度を調整します。

※当院では保険では実施しておりませんが、自由診療でのリハビリテーションを実施しています。



栄養管理

骨の健康には、栄養管理が欠かせません。特に、カルシウムやビタミンD、タンパク質などをバランスよく摂ることが重要です。

カルシウム

牛乳、ヨーグルト、チーズ、小魚、豆腐、納豆、小松菜など

ビタミンD

鮭、サバ、イワシ、サンマ、きのこ類など

たんぱく質

肉、魚、卵、大豆食品、乳製品など

適切なエネルギー摂取

体重や活動量に応じて適切なカロリー摂取が出来ているかも大切です


骨の健康のための栄養管理には「カルシウムのサプリメントを飲めば骨粗しょう症が治る」というわけではありません。

また、カルシウムは骨の健康に重要な栄養素ですが、多く摂れば摂るほどよいわけではありません。特にサプリメントなどによる過剰摂取は、高カルシウム血症や尿路結石などにつながる可能性があります。


さらに、骨粗しょう症の治療ではカルシウムやビタミンDに関連する薬剤が処方されることがあります。これらの薬剤を使用している方が、市販のカルシウムやビタミンDのサプリメントを自己判断で追加すると、過剰摂取となる可能性があります。


サプリメントを使用している、または使用を検討している場合には、服用中の薬との重複や相互作用を確認するため、医師や薬剤師に相談することが大切です。


食事から必要な栄養素をバランスよく摂取することを基本とし、食生活や栄養状態、服用している薬などを確認しながら、必要に応じて補うことが重要です。



薬物療法

骨粗しょう症治療薬には、骨吸収を抑える薬や骨形成を促進する薬などがあり、それぞれ作用や特徴が異なります。

薬には飲み薬、注射薬、点滴薬などがあり、どの薬剤を選択するかは、骨折リスク、骨密度、骨折歴、年齢、腎機能、基礎疾患などを総合的に考慮して決定します。

当院では、骨粗しょう症の薬物療法を保険診療で行っています。薬剤によって適応や使用上の注意点が異なるため、患者さん一人ひとりの状態に応じて治療薬を選択します。


骨吸収を抑える薬

  • ビスホスホネート製剤

  • デノスマブ

  • 選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)など

骨形成を促進する薬

  • テリパラチド

  • アバロパラチド

骨形成を促進し、骨吸収を抑える薬

  • ロモソズマブ

などがあります。

なお、複数の骨粗しょう症治療薬が椎体骨折や大腿骨近位部骨折などのリスクを減少させると確認されています。



当院の自費リハビリテーション

東京メディサイトクリニックでは、骨粗しょう症の患者さんに対して、必要に応じて個別の自費リハビリテーションを行います。前述した筋力トレーニングやバランストレーニングのメニューを理学療法士が作成します。

骨粗しょう症に対する運動は、「骨を強くするための運動」だけではありません。

むしろ重要なのは、「転倒しにくく、骨折しにくい身体をつくること」です。

理学療法士が、

  • 筋力

  • 関節可動域

  • 姿勢

  • バランス能力

  • 歩行能力

  • 転倒リスク

  • 日常生活動作

などを評価し、一人ひとりの状態に合わせた運動プログラムを作成します。



骨粗しょう症では「骨密度」と「身体機能」の両方が大切です

骨粗しょう症というと、どうしても骨密度の数値だけに注目しがちです。しかし、実際の骨折は、骨の強さ×転倒×身体機能×生活環境など、複数の要因によって生じます。また、加齢に伴う筋力低下(サルコペニア)やフレイルを伴うこともあります。そのため、「骨密度を改善する治療」と同時に、「転倒しにくい身体をつくること」が重要です。

 

このような方はご相談ください

  • 健康診断で骨密度が低いと言われた

  • 骨粗しょう症と診断された

  • 最近、身長が縮んできた

  • 背中が丸くなってきた

  • 転倒することが増えた

  • 過去に手首や背骨、股関節などを骨折した

  • 家族に骨粗しょう症や大腿骨近位部骨折の方がいる

  • ステロイドを長期間使用している

  • 骨粗しょう症と言われたが、どんな運動をすればよいのか分からない

  • 骨折を予防しながら今後も歩き続けたい


骨粗しょう症は、骨折が起きる前から対策することが重要な病気です。

また、一度骨折したことのある方では、「次の骨折を防ぐ」という視点が特に大切です。

骨の状態だけではなく、身体機能や生活まで含めて評価し、将来の骨折予防につなげていきましょう。


FAQ

骨粗しょう症になったらしてはいけないことはありますか?

骨粗しょう症だからといって、運動や日常生活を必要以上に制限する必要はありません。むしろ、筋力やバランス能力を保つために適度な運動を続けることが大切です。

ただし、背骨を強く丸めた状態で大きな力がかかる動作や、勢いをつけた強いひねり、高い衝撃を伴う運動は、特に椎体骨折がある方や骨折リスクが高い方では注意が必要です。運動内容は骨密度や骨折歴、身体機能に合わせて調整します。国際的なコンセンサスでも、画一的に運動を禁止するのではなく、個々の骨折リスクに合わせて活動を続けることが推奨されています。

食事や運動などの生活習慣はとても重要ですが、すでに骨粗しょう症になった骨を生活習慣だけで元の状態に戻すことは一般的には困難です。

筋力トレーニングや適切な荷重運動、十分なカルシウム・ビタミンD・たんぱく質の摂取、禁煙、転倒予防などによって骨量の低下を抑え、骨折リスクを減らすことは期待できます。一方、骨密度が低い方や骨折リスクが高い方では、これらに加えて薬物療法が必要になることがあります。

「これを食べれば骨密度が上がる」という特定の食品はありません。骨の健康には、カルシウム、ビタミンD、たんぱく質を不足なく摂ることが重要です。

カルシウムは牛乳・ヨーグルトなどの乳製品、小魚、大豆製品、緑黄色野菜など、ビタミンDは鮭やサバなどの魚類、きのこ類などに含まれます。また、筋肉を維持するためにも、肉・魚・卵・大豆製品などから十分なたんぱく質を摂ることが大切です。

ただし、カルシウムは多く摂れば摂るほど骨が強くなるわけではありません。特にサプリメントなどによる過剰摂取は、高カルシウム血症や尿路結石などにつながる可能性があるため注意が必要です。食事からバランスよく摂取することを基本とし、サプリメントを使用する場合には、自己判断で過剰に摂取しないことが大切です。

薬の種類によって異なります。多くの骨粗しょう症治療薬では、治療を終了すると徐々に骨密度が低下する可能性があるため、自己判断で薬を中止しないことが重要です。

特に注意が必要なのがデノスマブです。急に中止すると骨代謝が急激に活発になる「リバウンド」が起こり、骨密度が急速に低下して、複数の椎体骨折を起こすことがあります。そのため、中止する場合には通常、別の骨吸収抑制薬への切り替えなどを検討します。

一方、ビスホスホネート製剤は骨に長く残るため、中止後もしばらく効果が続く特徴があります。骨折リスクが低くなった方では、医師の判断で一定期間休薬する「ドラッグホリデー」が選択される場合もあります。

日光に含まれる紫外線を浴びることで皮膚でビタミンDが作られます。ビタミンDはカルシウムの吸収を助けるため、適度な日光 exposure は骨の健康を保つために役立ちます。

ただし、日光浴だけで骨密度が大きく改善するとは限りません。高齢者を対象とした研究では日光により血中ビタミンDが上昇したデータがある一方、十分な改善が得られなかった研究もあり、特に高齢者では日光だけでビタミンD不足を補うことが難しい場合があります。


参考文献


dxa

作成日:

2026年9月24日

監修:

東京メディサイトクリニック院長/整形外科 高岡宏行

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